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大会「一人ストリンガー」は、まさに孤軍奮闘

なぜそんなの引受けるの?……と思うでしょうけど

いろいろな大会にストリンガーとして参加していると、うれしいこともしんどいこともたくさんあります。

そのなかでとくに印象に残っている大会が10年ほど前の新潟で行なわれた女子のITF大会。

2週連続の大会で、前週は軽井沢、翌週は新潟という大会スケジュール。
軽井沢は何度か経験している大会なので、勝手はわかっていたのですが、新潟は私にとって初めての大会でした。
軽井沢の決勝戦が終了して、撤収作業。

大会スタッフが少なかったので、本部とコートの撤収まで手伝いながら、マシンを解体して車に詰め込み、いざ新潟へ。
正直、この時点で、くたくたでした。

4〜5時間かかって到着したんですが、初めての場所ということもあり、玄関がどこにあるのかもわからず、さらにタイムロス……。
ようやく中にへ入ることができたときにはすでに午前様

電話で確認していたので驚きはしませんでしたが、テーブルには、朝まで張り上げ指定のラケットが10本ほど山積みされています。
とりあえず車からマシンを降ろして組み立て、張る準備をします……けれども、この日はギブアップ、仮眠することに。

朝方5時から張り始め、9時のピックアップに間に合わせます。
なんとか間に合いましたが、ホッとするのも束の間、怒涛のラッシュが押し寄せます。

大きな大会であれば、受付、ストリングカット、ステンシル、テンションシールを貼るのも専門スタッフがやってくれるので、私は張ることに集中できるのですが、ここはひとり。
受付、カット、張り、ステンシル、テンションシール、ビニール袋包装まですべて自分の仕事。
お店ではあたりまえのことですが、試合に間に合わせければならない大会では、この一つ一つの作業が地味に効いてきます。

たしかお昼ごはんは食べたと思うんですが、それ以外は、休まず夜まで張り続けて、最終的には40本近く張りました。
このときはただひたすらに「間に合わせなきゃ」という思いだけで張っていました。それも、今となってはよい思い出。

こういうことがあっても「もう嫌だ!」と思わないのだから、やっぱりこの仕事が好きなんでしょうね……私は。

筆者
川端 隆史(ラケットショップ タジマヤ)
店舗情報
群馬県伊勢崎市本町12-10
0270-25-1820

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